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ドゥダメル&SBYO&アルゲリッチ&カプソン兄弟 [観ル・聴ク・読ム]

19日の夜は興奮しました~\(^o^)/あんなに楽しくてエキサイティングなクラシックコンサートには、そうそう出会えません!
実はこの演奏会のチケットを取ったのはわずか1週間前。テレビを観ていたらこの演奏会のCMを発見(この演奏会、広島テレビさんが主催でした)。“広島にマルタ・アルゲリッチが来るのぉ~!?聴き逃すな!”ということで、その場でチケット予約しました。
アルゲリッチと言えば、ピアノをやらない私でも知っているくらいの世界的な名ピアニスト。この前聴きに行ったワディム・レーピンのCDで、朝のわずかな通勤時間のBGMとなっているベートーベンのクロイチェルを協演しているのが彼女です。行かない訳には行かないでしょう~

ところが。アルゲリッチ目当てで行ったのに、もっとスゴイ演奏に出会ってしまった。それは、指揮者グスターボ・ドゥダメル&シモン・ボリバス・ユース・オーケストラ!!まったくノーチェックだっただけに、衝撃と興奮、お得感が倍増しました。

プログラム:
Ⅰ.ベートーベン/ピアノ・ヴァイオリンとチェロのための三重奏曲ハ長調op.56
  ピアノ:マルタ・アルゲリッチ ヴァイオリン:ルノー・カプソン チェロ:ゴーティエ・カプソン
  指揮:グスターボ・ドゥダメル 管弦楽:シモン・ボリバス・ユース・オーケストラ
Ⅱ.マーラー/交響曲第1番二長調「巨人」
  指揮:グスターボ・ドゥダメル 管弦楽:シモン・ボリバス・ユース・オーケストラ

アンコール:バーンスタイン/ウェストサイドストーリーより「マンボ」
      :ヒナステア/エスタシアより「マランボ」
      :?(曲名不明)
      :君が代

ドゥダメル&SBYOのことを書く前に、まずはアルゲリッチ&カプソン兄弟の演奏のことを書いておきましょう。アルゲリッチはさすがというか、やっぱり堂々としていて、でもコンチェルトなので前に出すぎていない演奏でした。カプソン兄弟との息もぴったり。
お兄ちゃんのカプソンは、曲に合わせて体がすごく動いていたので、ちょっと面白かった。(音楽的なことはあまりよく解からなかったけど・・・) 弟のカプソンくんは実物は遠すぎて顔が見えなかったけど、パンフレットで見るとかなりの美形!チェロの弓と体が一体になった感じで、熱い演奏でした。
ベートーベンのop.56は、カラヤン指揮でロストロポーヴィチとオイストラフ、リヒテル演奏のCDを持っていたので予習していったけど、今回の演奏はまた違ったベートーベンでした。

そして、グスターボ・ドゥダメルとシモン・ボリバス・ユース・オーケストラについてです。
今回の広島厚生年金会館での演奏会は、17日東京芸術劇場、18日東京国際フォーラム・ホールAに続いて、日本国内では最後の演奏会でした。SBYOのアジア・ツアーの一環で、このあと中国・韓国での演奏会があるそうです。

SBYOは、中南米のベネズエラ・ボリバル共和国の国立ベネズエラ青少年児童交響楽団システム財団オーケストラ教育プログラムを代表するユース・オーケストラで、12歳から26歳のメンバーで構成されているそうです。
このシステムは貧困層の子供たちに無償で楽器や合唱などの教育の場を与え、集団で練習することによって、貧困から生じる暴力や犯罪などを断ち切るといった青少年のより良い教育を目的として約33年前に設立されたとのこと。
4歳から6歳までの未就学児童オーケストラをはじめ、90以上の児童オーケストラ(7歳から16歳)、130以上のユース・オーケストラ(16歳から20歳)、30以上の成人のプロ・オーケストラがあり、それらの最高峰にあるのがSBYOだそうです。
ラトルやアバドなど世界的に有名な指揮者たちと演奏し、世界各国の有名なホールでの演奏活動を行っているそうです。

そしてこの教育システムの中から誕生し、新進の指揮者として世界的に注目を集めているのが、グスターボ・ドゥダメルです。彼ははまだ27歳だけど、2004年の第1回マーラー国際指揮者コンクールで優勝し、2009年からは名門ロサンジェルス・フィルの音楽監督に就任予定だそうです。

経歴では・・・クラシック界に精通していない私には、どれだけすごいのかもう一つ解からないけど、実際に演奏を聴いてみて、そのすごさがよーく解かりました。1部はコンチェルトなので、ソリストたちばっかりに目が行っていたんだけど、2部のマーラーは、ほんと鳥肌立ちました。

どちらかと言うとマーラーは長くて退屈というイメージがあって、ほとんど聴いたことがなかった。第1番の『巨人』も初めて聴きました。ところが。曲自体もなかなか面白くてカッコいい曲なんだけど、なんといってもSBYOの演奏が素晴らしかった。初めて聴いた曲で予習もしていかなかったので、比較する対象がないんだけど、たぶん他の指揮者やオケとは違う気がした。
緩急・強弱にメリハリがある。長い曲なのにまったく中だるみがない。
ピアニッシモでは緊張感があり、フォルテッシモでは実に楽しそうに華々しく。コントラバスが12人、弦楽器だけで100名以上の大編成ということもあって、ど迫力満点。

初めのうちはやっぱり気になる第1ヴァイオリンばっかり観てたけど、途中からはオーケストラの演奏が指揮者と一体になっていることに気がついてから、指揮者ばっかり観るようになってました。飛び跳ねたり、巨人がのそのそと歩く感じに体を揺さぶったり。そうするとほんとにオケの音が、巨人がのそのそと歩く音に聴こえてきた!

演奏が終了しほんの一瞬ため息をつくような間があったあと、拍手が鳴り止まなかった。『ブラボー!!』という歓声もいつもより大きかった。(最近行った演奏会で『ブラボー!』の歓声を聴いたのは、神尾真由子さんとN響の時かな。)
そして、アンコール。17、18日の東京ではアンコール曲は1、2曲だったようだけど、広島では4曲!!3曲目(曲名はは解からないけどたぶんSBYOのテーマ曲みたいなものかな?)のあと、会場にメンバーが楽器を弾きながら降りてきて、かなり盛り上がって、これで終わりかなーと思いながらも拍手が鳴り止まず、もう一度みんながステージに上がって『君が代』を演奏しました。ドゥダメルもオケのメンバーもすごくうれしそうでした。
こんな演奏会、観たことない!!観客も最後にはスタンディング・オベーションで、興奮してました。

ところで。広島に来て思うのは、行きたいと思う演奏会や舞台がほとんど広島には来ない、ということ。それが思わぬところで、こんなスゴイ演奏会に行くことができたのは、ほんとラッキーでした。


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コメント 2

H

私もこのコンサート行きました。とても素晴らしかったですね。近年行ったコンサートで最も感動したコンサートの一つでした。トリプル・コンチェルト、スコアを買ってしまいました。ちなみに、私も素人ですがヴァイオリンをやっています。バッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲」は携帯の着メロにしています。
by H (2009-02-28 13:02) 

ももん

Hさん、こんばんわ。

ほんとにとてもいいコンサートでしたね。機会があったらまた行ってみたいですね。

2つのバイオリンのための協奏曲の着メロですか~!
ちなみに私の着メロは、電話が『ヴィターリのシャコンヌ』、メールは『ベートーベンのスプリング』、朝の目覚ましが『チャルダーシュ』と『コゼックのガボット』です。。。(*^^)v
by ももん (2009-03-02 19:41) 

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