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おくりびと [観ル・聴ク・読ム]

DVDレンタルでは、1位登録者が在庫の10倍以上でなかなか借りられなかったんだけど、なんといきなりTVでオンエア。やっと見ることができた~
さすがにアカデミー賞や数々の賞に輝いただけのことはある良い作品でしたねぇ。テーマ、シナリオ、キャスティング、映像、音楽・・・どの要素も秀逸の作品だった。

『死』がテーマとなっているために、誰もが近い人の死を重ね合わせて観てしまう。その分、心を揺さぶられるシーンが多く、号泣せざるを得なくなる。
しかも、その『死』の場面が、優しさと尊厳を以って厳粛に行なわれる納棺の儀式を通して、死を『悲しい別れ』ではなく、『優しい気持ちで送り出す』気持ちに変える。

先日実家に帰った時、母の最期が近いことを痛感した。
気分が良い時は起きて家事をこなしてはいるが、8月に帰省した時よりも床に伏せる時間が増えていた。抗がん剤の副作用で、肌は湿疹でただれていた。食もずいぶんと細くなって、むかついて食べられないことも多くなっていた。夜中、身体の痛みで目が覚めることも度々あるそうだ。
たぶん、この1、2ヶ月の間には入院することになるのだろう。そしてもう、母のいる実家には帰ることはない・・・

この『おくりびと』を観ながら、母のことを考えずにはいられなかった。涙が止まらなかった。
こんなに優しい儀式をやってあげたい、納棺師さんにお願いすることが出来るかどうかわからないけど、せめて自分たちの手できれいにして送ってあげたい、そう思いながら。

キャスティングも見事。役者さんたちの演技も見事。山崎努さんがすごいのは言うまでもないんだけど、モックンが何と言っても良かった。今まであんまりモックンの演技を観たことがなかったけど、いい味出してるなぁと。
納棺師としてのシーンは、モックンが何年もかけて企画しただけに思いがこもっていて、美しさを感じた。それ以上に、コミカルなシーンや日常シーンでのモックンの演技が妙にリアルで、モックンってこんなに上手かったんだ~と感心。
それと。モックン、こんなにいい身体してんだぁ~と。筋肉モリモリ、胸板厚~い!!(*^_^*)

この映画に出演していた峰岸徹さんと山田辰夫さんが相次いで亡くなったのは、なにかの巡り会わせなのかなぁ~とも。

それと。クラシック、特に弦楽器に触れている者としては、ワクワクするような音楽シーンも満載。
飯森範親さん指揮の山形交響楽団が第九を演奏するシーンがいきなり登場!山響、飯森さんといえば、コンマスの高木和弘さん!残念ながら映画には高木さん出てないみたいだったけど・・・飯森さん指揮のいずみシンフォニエッタの演奏会に行ったことがあるので、『おっ!飯森さんだ!』と。

モックンのチェロ演奏もなかなか様になってましたねぇ。ヴィブラートはかなり頑張っているようだったけど、やっぱりプロではない?のがばれちゃってたけど。でも、ボーイングやフィンガリングなどは、ほんとにちゃんと弾いてるんだなぁ~と思えるほどの出来栄え。もともとチェロを弾いてたのかなぁ?
・・・とちょっと調べてみると、山響のメンバーで、この映画でモックンの近くで演奏していた!という方のコメントを発見。モックン、何ヶ月も前からチェロの練習をして、第九のシーンも実際に弾いていたそうです!弾いた振りじゃなくて。で、俳優さんってすごい努力家だ~!と感心させられたとのこと。

で、エンドロールを観て、『おっ!柏木宏樹だ!』 劇中のチェロ指導とチェロ演奏は、柏木さんでした。柏木さんといえば、私がヴァイオリンを始めるきっかけになった『ヴァイオリンサミット2006』に出演されていて、私が初めてチェロの生演奏を聴いたのが柏木さんの演奏なのでした。

映像も素敵でしたねぇ。山形の山々、四季折々の河川敷の風景。そして、NKエンタープライズの建物。なんとも風情のある外観と、『上~?』にある社長の部屋の緑鮮やかな植物たち。
それから、主人公たちの食卓となっている実家の元スナック店舗の内装。古いレコードの数々、レコードプレイヤー、チェロのエンドピンで孔があいた床。あ、これは映像というよりも、美術の方かな。

なんだかほんとに色々なところでお徳感いっぱいの、素晴らしい映画でした。大満足\(^o^)/

















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