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こわかった~(^_^メ) [おしごとのこと]

今年2年目の新人君がやっちゃったミスのフォローで、色々考えさせられることがありました。

融資案件の相談を受けたとき、お客さんから電話で概要を聞いて、下調べをしてから話を進められそうか判断します。可能性がありそうなら、一度来店してもらって正式に申し込みを受ける……という手順です。

……が今回ミスした新人君は、お客さんからある程度の資料(決算書など)をもらった上で、『(融資するのに)ほぼ問題ないと思いますので、一度申し込みに来てください』とお客さんに来てもらったのでした。
そのお客さんが来店する15分くらい前に、新人君が私のところへ『こういう場合は、どうしたらいいですか?』と聞きに来ました。その案件について私が聞いたのは、その時が初めてなのでした。

新人君の質問内容は、そのお客さんの決算書から判断すると、当社では融資するのが難しい内容でした。私が指示したのは、『このお客さんの状況では、こういう理由から融資は難しいよね』。
理由を説明している最中にそのお客さんが来店されて、彼は私に言われたとおりの理由をそのままお客さんに話して、『上司にこう言われたので、融資は出来ません』と言ったのでした。

で、お客さんが激怒!!
フロアに響き渡るくらいの大きな声で怒っているのでした。
しばらくして、新人君がひきつった顔で私のところへやってきて、『課長に言われた理由で断ったら、上司を呼べと言われましたので、お願いします』と。。。

とりあえず、どういう断り方をしたのか、相手が何を怒っているのかを聞き出すと、その決算書は3ヶ月ほど前に別の物件購入資金として相談を受けたときにもらったもので、ずいぶん前から新人君の手元にあったとのこと。断った理由がその決算書を見れば一目で分かる内容なので、どうして今頃そんな理由で断るのかと。
電話では、新人君が融資が出来るようなことを言ったので、ここに来る前に売買契約を済ませてきたと。融資が受けられなければ、手付金を流すことになってしまうじゃないか!と。。。

話を聞くと、理不尽な要求とかなら別の対応もあるのだろうけど、こちらの対応のまずさで怒らせていることは明らかです。
“やばいなぁ~ どう対応したらいいだろう……相当怒っているみたいだし。でも、私が出なきゃ。それが課長の仕事だ!!ひたすら謝って許してもらうしかない”と覚悟を決めて、お客さんのところへ行きました。

応接室に入ると、なおびっくり!
そのお客さんの風貌が、スキンヘッド、体格も立派。金のブレスレットに、メチャクチャ高そうな時計……

とにかく最初に、お客さんから怒っている理由を聞いて、謝りました。
謝る声が、手が震えてしまいました。。。
頭の中が真っ白で、途中で自分が何をしゃべっているのかわからなくなるほど。

でもそのうちに落ち着いてきて、私自身が案件の内容を把握していなかったので、とりあえずはただ闇雲に断るのではなくて、もう一度案件の概要やお客さんの情報を集めてから、再度融資の可否を判断した方がよいと思ったのでした。

そう思うと肝も据わってきて、お客さんの目を見ながら話すことが出来るようになってきました。
私がいろいろ質問すると、お客さんの方もとにかく何とか融資をしてほしいということもあるので、だんだんと態度が軟化してきました。

話をしてみると、その社長は風貌とは裏腹に、かなりやり手の頭の切れそうなビジネスマンでした。
決算書だけを見たら規模の割には売り上げと借入金が多いので、ちょっと先の読めない危うさを感じたけど、社長の話を聞くと決算書の説明に筋が通っていて、『この社長なら、このくらいの商いをやるだろう』と思ったのでした。

けっきょく、今回最初に融資が難しいといったことについては、支店長の判断で取り上げ可能とすることもできる。総合的に判断するとこのまま話を進めても問題ないと思ったので、支店長に相談して取り上げる方向で進めることにしました。


こういうことがあるので、申込書には『申し込みをしても審査の結果融資を受けられないことがあります、その場合も理由は申し上げません』と言うことが書いてあって、お客さんにも説明するんだけど、今回はその申込書をもらう前の話。

その新人君、以前私が大阪にいたときのある課長さんとよく似てるんですよねぇ。。。仕事ぶり、話しぶり、性格も。変なところで自信家で、しかも頑固。聞く耳持たないところとか。ほんと、そっくり。(大阪支店の女子の中でも、一致した意見です)
だから、お客さんに変に誤解させる話し方をする危険性が……あるタイプなので、やっぱりか!!ってかんじです。

上司に相談せずに、案件を進めてしまっていた……ということも、彼には自信があったからなのでした。
そう言えば大阪の課長になった時このブログでも書いたけど、自信があるから勝手に進めてしまう新人さん……これを何とかしなきゃと思っていたのに、けっきょくできてませんでした。

私が管理しているHPルートからの案件については、受け付けた時に内容を把握することができるけど、それ以外の案件はある程度話が進んでからしか報告してこないのでした。
案件を受けたらすぐに共有ファイルの受付リストに入力するよう言っているけど、マメじゃない性格の人は、なかなかそれができないようで。
今までベテランの担当者が多かったし、私自身が担当者の時受け付けた案件全部を上司に報告するわけではなく、ある程度自分で判断して進めていたので、違和感がなかった。
でも、やっぱりまだ2年目3年目の新人君たちは、そういうわけには行かないのだと、思い知りました。

それから、断り方ももっと細かくアドバイスするべきだったと……その場は一旦正式に申込書をもらって、『審査の結果断ることがある、その際の理由は答えられない』ということをちゃんと説明してから、後日断るということもできたのに。
相談されたのが直前で時間がなかったとは言え、そういう断り方もちゃんと教えるべきでした。。。

この件のあと、その新人君を別室に呼んで2人で話をしました。
『これから当分の間は、受け付けた案件はお客さんに方向性を伝える前に、全部私に報告してね』と。

彼は、『すごく、悔しいです』と言ってました。
『何が、悔しいの?』
『自分は分かっていると思っていたのに、まだまだ奥が深くて。知らないことが、悔しいです』と。

今これを書いている間に、ソクラテスの『無知の知』を思い出しました。
『自分が何も知らないということを知っていること』です。
すごく良い言葉だと思うのです。さすが、哲学者!

新人君が『知らないことが、悔しい』と言った時、ちょっと、『無知の知』とは違うなと思いました。
私は『無知の知』=『謙虚さ、思慮深さ』だと思っているんだけど、新人君は『知らないことは、恥』と思っているようです。
だから、『自分が知っていることについては、かなりの自信を持っている』のだと思います。それが、危険だっちゅーに。
彼と話した時はソクラテスの言葉が浮かんでこなかったので、それ以上何も言わなかったけど、今度もう一回、『あなたは、まだ何も知らないぺーぺーちゃんなんだよ』って、そのままは言わないけど、そういうことをちゃんと言っとくべきかな(^_^メ)

今回のことで、彼は相当怖い思いをしたと思うけど、ちゃんと学んでくれればいいなぁ。

私は私で、上司として部下の代わりに謝る……ということを初めて経験して、しかも震える思いまでして、でも、いい教訓になりました。







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