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出口のない海、ふたたび [観ル・聴ク・読ム]

今から10年と5ヶ月前に観たDVDを、今日、観ました。
それは『出口のない海』。私の好きな作家横山秀夫さん原作、そして海老蔵さん主演の映画で~す。

10年前、この映画のDVDを観て、とにかく何かを感じて、このブログに何かを書いた記憶はありました。DVDをもう一度観ることにしたのは、やっぱり自分の中の海老蔵さんのウェイトが高くなったから。

結論から言って、やっぱり何度見ても泣ける映画です。

10年前にこの映画で初めて『人間魚雷 回天』のことを知って、その後広島勤務時代に呉の大和ミュージアムに行ったんですが、そこに展示されている『回天』を観て、とても感慨深くなったのでした。

出撃するために複雑な操作方法を学んで、死ぬ覚悟も決めて、もう思い残すことはないと極限の精神状態まで自分を制したのにもかかわらず、整備不良のために出撃出来ず。訓練でも失敗して、その操作手順の複雑さを呪い、叫んだ主人公。でも晴れて実践の場に出て、仲間の死を見送り、いざ自分の番だと覚悟を決めたのに、自分の乗り込んだ回天は動かなかった。
基地に戻って、『死にぞこない』と言われる状況を制して臨んだ訓練。
回天の操作は複雑、しかも少しの操作ミスが命を左右する。上手く失敗すれば船首を上げて浮上出来るけど、下手に失敗すれば、船首は海底に突っ込む。もちろん、その先はない。

せっかく実戦で生き延びた主人公が、最期には、訓練で船首を海底に突っ込み、自力浮上が出来ないまま事切れる...
おりしもそれは終戦と同じ日。。。

終戦後に襲った台風で、海底に突き刺さった回天が浮上して、GHQの将兵が見守る中、主人公が発見される・・・・

主人公は六大学野球のピッチャーとして名を上げていた。将来プロ野球選手になるかもしれなかった。恋人もいた。父も、母も、妹もいた。

とても悲しいお話だった。
10年前に感じたことと、やはり同じことを感じたのでした。

海老蔵さん、映画初出演だったということもあったし、まだ若かったので、今のような熟成した迫力は感じられず初々しいところが目立った演技だったけど、とても良かったです。
でもそれ以上に、やはりお話が良かった。

色々なことを感じる映画です。



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