SSブログ

エキスポの事故 [私の日記]

昨日エキスポランドで起こった風神雷神Ⅱの事故。すごくショックだった。
エキスポランドは、うちのマンションからも見える距離にあるし、学生の頃から何度も行った場所だ。、昨年のGWにも、おいっこたちと一緒にエキスポに行った……。あまり絶叫系は得意じゃないので、風神雷神Ⅱには乗ったことはないけど。
それでもまさか、人が亡くなるような事故が起こるなんて。あり得ないことが、起きてしまった。

2時過ぎのNHKニュースで事故の一報を知った。『エキスポでジェットコースターが脱線して一人亡くなった』という言葉にドキッとしたけど、その次の言葉『事故を目撃した十数名も病院に運ばれた』という言葉に、違和感を感じた。それでもどちらかというと、身近な場所で悲惨な事故が起こったという事実にびっくりしたという方が大きかった。

でも夜、ベッドの中に入ってこの事故のことを考えていると、恐ろしいことに気がついた。なぜ『事故を目撃した人が何十人も病院に運ばれた』のか? もしかしたら亡くなった方の状態が、公けの記事には書くことが出来ない状態だったのではないか……と。
もう一度ベッドから起き上がって、明かりをつけてネットで記事を検索してみる。各新聞社のオンラインニュースを読み比べてみる。亡くなった方の様子については、各社ほとんどが『○○を強打して……』とある。○○の部分は同じではない。
ただよく行間を読んでみるとやはり、目撃した人がパニックになるくらいの状態だったのだと思った。

3年ほど前、当時住んでいた家の最寄り駅で、人身事故があった。
朝の通勤時間で、私はいつも通り駅のホームを跨ぐ歩道橋の階段を登ろうとしていた。この歩道橋の階段下に立つと、ちょうど線路の高さと同じ目線になる。その距離は約5、6m。
その時間、いつもと違って電車がホームに停車している。周りの様子もなんだかおかしい。そう思いながら、何気なく電車の車体の下に目が留まった。
電車の車体の下、線路上に、何かが横たわっていた。ピンク色の何かが。
その瞬間、駅員さんと電車の車掌さんが線路上を走ってくる。その場所に止まると、彼らは車体の下を覗き込んだ。

ホームから、人が、飛び込んだ直後だった。
それから数分間、その場所から動くことが出来ずに、駅員さんたちの動きを見続けた。車体の下にもぐりこんで、シートをかけて遺体を引き出すところを。警察の人たちも駆けつけて、車体の下を必死で覗いている。
反対側のホーム、私がいる場所からほんの2、3mのところに安置された遺体のそばに、警察の人がバッグを置いた。若い女性のもののようだった。エルメスのバッグ。
目の前のシートの膨らみが、1m位しかなかった。
電車の下にあったピンク色の何かは、人形のようだった。
そのことが、すごくショックだった。

停車している電車は、私がいつも乗る電車のひとつ前の電車だった。しかもその場所は、私がいつも乗っている最後尾の車両だった。もしかしたら毎日の通勤の中で、隣に並んでいた人なのかもしれないということも、ショックだった。

今回のエキスポの事故で亡くなられた人のことを思うと、この時の陰惨な光景を思い出してしまった。

ついさっきまで息をして、行動していた人間が、突然何かの力によって命を奪われた瞬間、それは物体になってしまう。物体という言い方は、すごく人間の尊厳を傷つけている言葉のようなが気がするが、実際に『死』に直面すると、その言葉がこみ上げてくる。
もう、声をたてて笑うことも、泣くこともしない。ただの物体になってしまう。
魂が消えて無くなってしまうことが、どれほど、無機的で虚脱感のあることか。
『死ぬ』ということは、こういうことなのだ、と思う。

今回のエキスポの事故で亡くなった方は、ほんとにいくつもの偶然が重なってしまった。
もちろん園側の整備の問題が大きい。ただ、もしあの鉄柵が反対側にあったら。昨日の天気が今日のような雨だったら。天気予報では、昨日の大阪は大雨だったのに。
そのことが、すごく、悲しい。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0