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復活の日 [観ル・聴ク・読ム]

小松左京氏の「復活の日」、今読んでいる最中です。今日中には読み終えそうです。先日NHKのあさイチでコロナ禍を考える本として紹介されていました。
「あれ、確か…?」引越しのたびに本棚の整理をして、今ではかなり厳選した本しか残してない本棚に、ありました、カバーのない文庫本「復活の日」が。10年以上も前に中古品で購入したまま「いつか読むかな?」と手を付けずにいた本が、まさに復活。
アマゾンで見てみると、SF・ホラー部門ではベストセラー1位、全部の本の中でも52位、再入荷は5月2日となっていました。

今のコロナ禍の行く末を想像せずにはいられない、SFとして書かれていたのに、ノンフィクションになりそうな・・・衝撃的な内容でした。この小説が書かれたのは1964年。私が生まれる前、今から56年も前に書かれていたなんて。

詳しい内容は数々の書評やレビューを見ていただくとして、驚いたのは、作品そのものが単なる空想のSFではなくまさしく予言であったこと、そして、小松左京氏の猛勉による生物化学や国際情勢、南極観測や地震学、アマチュア無線といった専門的な知識に裏付けられた説得力のある学術書のような内容であったことでした。
事実、私には到底理解できない文章も満載で、でも刻々と滅亡へ向かっていく人々の群像劇が描かれているので、「え、この先どうなるの?そんなことしたらヤバいんじゃないの?」と先を急く気持ちの方が勝って、分からない文章をとにかく目で追って読み進む、一種のトランス状態。

殺人ウィルスが人類を滅亡させる発端、拡がり方、全世界の機能マヒの様子、終末の誰も生存しない世界にさらに核戦争という人類が生み出した脅威の雨が降り...唯一生き残った人々が協力して再生してく様・・・この一連のストーリーが、実はものすごく腑に落ちたのでした。

それでもまだ、私自身は「やっぱり面白い小説だったな~」と呑気な感想を持つだけ。「そんなこと、現実には起こらないだろう」と。
たぶん、この小説に登場するほとんどの人もそう思っていた。けれどもそうではなかった。最初は質の悪いインフルエンザだと誰もが思っていた。殺人ウィルスの存在を認識せずまま、その瞬間まで普通に、何の疑いもなくこの先も同じように生きていくつもりだった人々が、突然の心臓発作で次々と死んでいく。気が付けば、誰にも弔われることのない行き倒れた死体の山。運転中の突然死によってあちこちで交通事故が起こり、各国の首脳たちは何の手立ても出来ないまま、次々と突っ伏していく。

何よりも恐ろしいのが、この殺人ウィルス蔓延の発端となった人物たちは、自らが行った行為の危険性を全く認識していなかったということ。そして、それらの人々は何人もいて、そのうちの誰もが、殺人ウィルスを拡散させようと企んでいた訳ではなかったにも拘らず、いくつもの不幸な偶然が重なったことによって、人類を滅亡させることになってしまった。

小説を読んでいる者から見ると、彼らのどの行為がダメだったのか一目瞭然。
けれど、殺人ウィルスを開発した研究者は、自ら造り出してしまった脅威のウィルスに対抗するワクチンを、敵対する東側の研究者と共同で開発するために研究所から持ち出した。
それを奪った産業スパイは、別の勢力へ横流すという金儲けを企み、レーダー探知機をかわすために木製の飛行機という手段を使い、一刻でも早く相手の元に届けたい一心で、アルプスを横断することを選択してしまった。誰もその飛行機が墜落し、殺人ウィルスが入った魔法瓶が破壊されるなんてことを想像せずに。
発端となった人々は、自分の利害や思想のままに行動しただけで、誰もその行為が、自らの命を落とすだけでなく、人類滅亡に繋がることを想定していなかった。

このことは、今の世の中、コロナ禍においても、同じことが言えるのではないかと思うと、ぞっとします。
この新型コロナウィルスも、自然発生したものではなく、人為的に組成されたものというニュースもあります。あくまでも今は噂レベルにしか捉えられませんが、「復活の日」に語られている不作為と偶然が、この現実には起こり得ないなどと、誰が断言出来るのでしょうか。

「復活の日」は映画にもなりました。角川映画で映画化されたのは1980年。私は中学生でしたが、関心を持つにはまだ幼くロードショーでは観てないですが、その後TVなどで観た記憶があります。
映画は25億円以上もの製作費が掛けられ、南極大陸[exclamation]や世界各国でのロケや外国の俳優さんたちなど豪華なキャストで製作されて、話題となった映画です。
監督は深作欣二監督、撮影監督は木村大作氏、主人公はまだ若かりし頃の草刈正雄さん・・・

やっぱり映画版も観てみたい~[ひらめき] ということでツタヤレンタルで予約中です。

・・・今、このブログを書いている間に、一本の電話が。5月末の日程で北海道礼文島利尻島ツアー旅行を申し込んでいた旅行会社の方からでした。宿泊ホテルが休業するとの連絡があり、ツアーが中止になったとのこと。。。
北海道へは何度か行っているけど、礼文島と利尻島にぜひ行ってみたくて。礼文島は高山植物の宝庫で、5月末から8月位がシーズン。申し込んでいたツアーは、5月下旬から6月中旬までしか咲かない希少種の「レブンアツモリソウ」を見るツアーでした。

5月末なのでもう少し様子を見てからキャンセルするか決めようと思っていた矢先。「残念です…こちらの方もキャンセルするかどうか迷っていたところです」と伝えると、電話口の担当者さんも本当に無念そうに「レブンアツモリソウは本当に可愛らしいので、是非来年…」「はい、来年楽しみにしています」と。お互いちょっと涙ぐみそうなやり取りで、電話を切ったのでした。

北海道の遥か島々にまで、コロナの影響があるなんて。たぶん島外から人が来ることを自粛してもらうための休業なんだと思います。残念ですが、来年は「昨年は大変でしたね~」と笑って訪れる日が来るのを祈りたいと思います。


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免疫力アップ大作戦!62回目愛知 [旅行]

3月初旬の土日、愛知県の幸田町へ行ってきました。
この頃は、愛知県では東京よりも先にクラスター感染が発生したり、感染した男性がわざと夜の飲食店に出入りする騒ぎがあったり。新型コロナの脅威に気づき始めていたものの、それでもその脅威は中国などの外国のことであったり、日本でもまだ一部のエリア限定で、日本中の誰もがまだ「蔓延」という言葉を身近に感じていない頃なのでした。

今回泊まったお宿は4年ほど前に一度泊まったお宿で、離れで露天風呂があって、何よりもお料理が美味しかったので、「またあのお宿に泊まりたい!」と奮発して予約していました。
直前まで行くかどうか迷ったけど、この頃にはコロナの影響で旅館やホテルのキャンセルが相次ぎ大打撃を受けているというニュースが頻繁に流れていて、「ここでキャンセルせずに行ったほうが、お宿のためになるのかも」と思ったのでした。

新幹線はすでに閑散としていて一車両に数人程度、JR東海道線は大きな旅行鞄を持った人はいないものの、地元の人たちの足としていつもと変わらない程度の混雑具合でした。
車内ではマスクをして買い物も最小限、一人旅なのでほとんど誰ともしゃべらずにそのままお宿へ。お宿の他にも、個性的で楽しい竹島水族館にも行く予定だったけど、今回は断念。

この日のお宿は幸田町の三河スカイライン内にある「風の谷の庵」さん。JR蒲郡駅から送迎バスで15分、ひたすら山道を走って行きます。三河湾と岡崎平野を眼下に望むことが出来る山頂にあるお宿です。
でも残念ながらこの日は曇天。お宿のロビーからの眺めも・・・でもチェックインしている間に、雲が晴れてきた[ひらめき]
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お部屋は前回とは違うお部屋ですが、同じ囲炉裏の間があるお部屋。
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猫足バスと露天風呂。鳥の声以外には何の物音もしない静寂な時間。この静けさは、本当に贅沢。

そういえば、日常の私の周りでは、常に何かしらの音が聞こえている。自宅は環七沿いなので、車やバイク、それに毎日のようにパトカーと救急車の音が(^^; 騒音ではなく喧噪という程度で、もう生活音の一部ではありますが。通勤の地下鉄では、最近は人の話声はほとんど少なくなったものの、窓を開けているのでこれがかなりの騒音レベル。会社に行けば、50%の出社抑制で人が少なくなったのにいつも以上にかかってくる電話が、2コールどころか8コールでやっと誰かが我慢しきれずに出る。ずっと鳴り続けている電話に耳を防ぎたくなる。。。
そんな日常から離れて、この静かな空間の中でボーっとする、これこそほんとの至福の時かも。

露天風呂に入って、夕食までの時間はのんびり過ごしました。前回はこの時間、お部屋でエステを受けたんですが、今回はさすがに見合わせることに。

夕食は囲炉裏の間で。前回も書きましたが、こちらのお宿は全室離れのお部屋で、それぞれ食事をする部屋の隣にお料理を準備をする小部屋が備え付けられています。厨房で作られたお料理をこちらの小部屋で温め直して供されるので、冷めたお料理は一切ありません。
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まずは前菜。うるい・ひげ長海老の蒲郡みかん酢味噌和え。タラの芽雲丹炙り。小袖玉子、蛤山椒煮、よもぎ麩くるみ味噌田楽、サーモン昆布〆、玉ねぎスプラウト砧(きぬた)巻き。

お造り。伊勢海老、鮑、アカザ海老、鯛、マグロ。言葉にならないラインナップ[ぴかぴか(新しい)] 
つまの大根も人参も糸かと思うような極細に千切りされていて、あまりの美味しさにバクバク食べてしましました~
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お醤油はそれぞれのお魚に合うように3種類用意されています。中でも泡醤油は良い仕事してます。

三河湾産桜鯛道明寺蒸し。桜の葉で包んだ春らしい一品。
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食事が進んで・・・岡崎の街のきらめきがとても素敵な黄昏時になりました。

こちらのお宿の一押しは、目の前で料理長が揚げてくれる天麩羅。
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高足蟹、車海老えごま巻き、奥三河若鶏梅しそ巻き、こごみ、じゃが芋湯葉包み。素材をそのまま揚げるだけでなく一手間加えた創作天麩羅で、どれも絶品[exclamation] 天麩羅はやっぱり揚げたてが一番美味しい[ぴかぴか(新しい)]

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もう一つのメイン料理、高足蟹浜焼き。高足蟹を食べるのは今回で3回目だけど、ズワイガニやタラバガニよりもコクがあって癖になる味です。

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酢の物。春野菜、キウイフルーツ、高足蟹の蒲郡みかんドレッシング掛け。

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三河牛ステーキ陶板焼き。

高足蟹の釜めし。どのお料理も美味しかったけど、ラストに待ってました絶品が。お茶碗二杯分以上ありましたが、完食[ひらめき]
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水菓子はイチゴのムース。

満腹、満腹~ そういえば今回お酒の写真がありませんでしたが、いつも通りに十分いただき、少し休憩したらまた露天風呂へ。
お夜食として稲荷ずしも。稲荷ずしは、すぐお隣の豊川市の名物料理ですね~
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朝食もお部屋で。こちらも品数豊富でヘルシーな朝食でした。ご馳走様でした。
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やっぱり来て良かった~(^-^) すごく癒されて、元気をいただきました。いつの日か再訪出来ることを祈って。
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