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チャイコフスキー国際コンクール 入賞者ガラ・コンサート [観ル・聴ク・読ム]

2008年1月20日シンフォニーホールで行なわれた演奏会に、友達と行って来ました。

まずはプログラムから。(演奏順ではありません)
[ヴァイオリン部門1位]神尾真由子 『チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲二長調作品35』
[ピアノ部門(1位なし)2位]ミロスラフ・クルティシェフ 『チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番作品23』
[チェロ部門1位]セルゲイ・アントノフ 『チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲作品33』
[声楽部門男声1位]アレクサンドル・ツィムバリュク 『ヴェルディ:歌劇「エルナーニ」より「私は不幸な男だ」』『チャイコフスキー:歌劇「マゼッハ」より「これが密告に対する褒美だ」』
[声楽部門女声2位]オレシャ・ペトロヴァ 『チャイコフスキー:歌劇「オルレアンの少女」より「森よ、さようなら」』『チレア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」より「苦い喜び、甘い苦しみ」』
指揮:ユーリ・トカチェンコ 管弦楽:チャイコフスキー記念財団 ロシア交響楽団

神尾真由子さんのチャイコン演奏を生で聴くのは、今回で3回目でした。今回は今までよりも全体的にテンポがゆっくりめだったかな。そのせいか、今までの中では一番叙情的に聴こえました。歌うところは、より歌うってかんじかな。

1回目の時は、コンクール受賞後初めての日本公演だったせいか、精神的にも技術的にもコンクールでの状態を維持したようなかんじの、張り詰めた印象の演奏でした。オケもN響だったので、一番聴き応えがありました。
2回目は、神尾さん単独での凱旋コンサートだったので、なんとなく緊張していたような……かんじでした。
今回3回目は、他の入賞者もいるし、チャイコン3度目ということもあってか、これまでの中では一番落ち着いて、というか曲そのものに集中して演奏しているかんじで、その分歌いこまれているような気がしました。

個人的な好みでいうと、1回目の演奏が一番だったかな。今回の演奏はすごく叙情的で色っぽかったんだけど、普段このチャイコフスキーのコンチェルトは、ハイフェッツの演奏(フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団 1957年録音)のテンポの速いものを聴いているので、ちょっとしっくりこなかった。
この曲は曲自体が叙情的な曲調なので、演奏はハイフェッツのような淡々としたかんじ(実際はとても感情的に聴こえるけど)に速めのテンポで弾くくらいがちょうどいいと思うのですが。
そういう意味では1回目に聴いた演奏が一番、とても良かったです。

それでも今回の演奏会でも、神尾さんの演奏が始まると、会場の空気が張り詰めたのがわかりました。他の入賞者は日本人以外だったし、やっぱり神尾さんの演奏を目当てに来ているお客さんが多いとは思うんだけど。それだけじゃなく、演奏に惹き込まれるというか。
あれこれ生意気に書いてみたものの、やっぱりすごい。早くCDデビューしてくれないかなぁ~

その他の入賞者については……今までヴァイオリン以外の生演奏を聴く機会がほとんどなかったんだけど、チェロコンチェルトも、声楽も、ピアノコンチェルトも、意外といいものねぇ~という感想でした。

中でも、ピアノ部門2位のミロスラフ・クルティシェフさんが演奏したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、神尾さんの演奏に次いで、大拍手でした。正直、こんなにスゴイ演奏する人が1位なしの2位だなんて~!? 
痩せてひょろっとしたまだ若いお兄さんが、全身を使って(飛び跳ねるように)弾いている姿から目が離せませんでした。
このピアノコンチェルトは知らない曲だなぁ~と思ってたら、序章の冒頭部分は“みんなが知ってる曲”だったんですね~ クラシックに詳しくない一緒に言った友達も、唯一『この曲知ってる!』って言ってたくらいだし。

あとは、チェロコンチェルトも、かっこいいですねぇ。特に低音部分がシブい。ヴァイオリンのG線もかっこいいけど、やっぱりチェロのあの音色には敵わないなぁ~って思いました。

最近買った高嶋ちさ子さんの『ヴァイオリニストの音楽案内』っていう本の中で、高嶋さんが大好きで泣けると言うチェロコンチェルトということで紹介されていたのが、この『ロココ風の主題による変奏曲』でした。この演奏会で演奏されることを知らずに、偶然にも1ヶ月ほど前に、この曲が入ったロストロポーヴィッチ演奏のCDを買ったばかりでした。

それと声楽。バスのアレクサンドル・ツィムバリュクさんの声量が、とにかくすごい。私の席は後ろの方だったけど、ヴァイオリンやチェロよりも音量、大きかった。あれはもう、人間の形をした楽器だなって。
私も合唱をやっていたので、ソリストの演奏を聴く機会は何度かあったけど、本格的なオペラの演奏会にはいったことがないので、ちょっとびっくりでした。
オペラはストーリーを知らないと面白くないかも、と思って敬遠がちだったけど、一度行ってみるのもいいかも。

今回の演奏会は、神尾さんの演奏だけじゃなく、今まであまり馴染みのなかったほかの楽器での演奏も聴くことができて、思わぬ収穫のあった演奏会でした。

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